古いことわざで言えば「築城10年、落城3日」という意味合いに通じるのかもしれない。すなわち、信用とは一朝一夕にできあがるものではない。約束をしっ かり守り続け、勝ち得ていくものである。しかし一方、どれだけ年数を重ねてきても、約束を守れなければ信用は作れないし、作った信用も気の緩みから一瞬に して崩れ去ることもある。当たり前のことではあるが、言うのは簡単だが実践するのが難しく、それだけに時代を超えて重みを感じる言葉でもある。
私がお会いしたあるラグジュアリーブランド店長は、長期にわたり素晴らしい顧客を多数維持していた。その秘訣を聞くと、「お客様との約束を守るのは当然ですが、私は特に"小さな約束"をしっかり守ることを大切にしてきました。また、お客様・会社・スタッフ・友人との約束もそうですが、自分でやると決めたこと、つまり自分との約束も必ずメモをして実行することに努めてきました。」という言葉が返ってきた。私が、「すごいですね。大勢の人はそれがなかなかできないんですよね。それができること自体が素晴らしい能力ですね。」というと、笑いながら「だから、できない約束はしません。どの約束も"できるレベル"でしかしないので、そんな大げさに考えないでください。」と言った。そして、「私ってメモ魔なので、必ずメモをします。実行した約束から消していくんですが、それが残ったままになっているのがとっても嫌なんです。それにもしも、途中でこの約束は無理とわかったら、絶対そのままにはしません。早めにできないことを謝罪と共に伝えます。そう考えていったら、できないことはないという結論になるんです!」
約束の重さを知る。それは個人のレベルだけでなく、ラグジュアリーブランドそのものにとっても存続していくための必須条件である。実際、多くのラグジュア リーブランドを垣間見てきて、どのような時代変化に対しても土台が揺らぐことなく結束してチャレンジできている会社は、順調な時でも"言ったことはやり きる"というこだわりを持っている。確かに厳しい面もあるが、それがあるからこそ、お客様以前に「会社と従業員」「従業員同士」の信頼・信用が築けている と感じるのである。
大きな約束の一つに、政治家がよく言う「公約」がある。結局終わってみたら、全くできていないこともしばしばである。しかし、"公約なんてまさに口約(口約束)"と思っている国民も多い。そこに"なんとしてもやりきる"という責任感を感じられないからである。大きな約束も、最終的には小さな約束の積み重ねである。それを積み上げていく中で、「この人の言うことなら信じられる」「この人なら任せられる」「この人なら裏切らない」という気持ちを醸成していく。その結果、多くの協力者が進んで協力してくれるようになる。すると、より大きなチャンスも掴みやすくなる。実際、そのラグジュアリーブランドの店長は、「私の力と言うよりは、お客様が他のお客様をよく紹介してくださいます。その際に、"この人なら安心よ。この人は信頼できる人よ。この人は嘘はつかない人よ。"など、一言添えてくださいます。その言葉をお聞きするたびに、気を引き締めて期待を裏切らないようにしたいと頑張ってきました。私よりもおすすめ上手だったり、会話を盛り上げられたり、笑顔が素敵な店長やスタッフは他にもたくさんいると思いますが、私にとっては、"あなたのことを信用している"とい
う言葉が一番ありがたい褒め言葉です。愚直にやってきて良かったと思う瞬間です。」と言っていた。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
サービスデザイン研究所
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