2014年7月22日火曜日

見えるモノの価値・見えないモノの価値~ハードとソフト融合の時代~

モノ中心の社会からサービス化社会になったと言われて久しい。しかし、モノとサービスは切っても切れない関係にあり、シーソーのように、どちらが大事というものではない。モノそのものだけで勝負する時代が終わり、モノとサービス、もっと言えば【ハードとソフトの融合】が大切になっている。あえて“融合”と 書いたのは、どこからどこまでがハードで…ということではなく、お互いに溶け合って一つの“形”や“ストーリー”あるいは“体験”となって、お客様に価値 を提供するイメージである。


ところが、未だにその発想がなかなか浸透せず、「箱物」にこだわるケースも多いのが実情である。例えば、今学校のICT化に大きな予算がつけられている。そこでは 「コンピューター教室(電子黒板・タブレット・電子ペーパー等、無線でつながれた世界)」が出現し、それによって一人一台iPadを持ちながら、動く映像を見つつ、楽しんで参画する授業イメージが描かれている。が、本当の意味で育成に大切なのはコンテンツ(教える内容)であり、そのコンテンツを創る指導側の スキルやスタンスである。必要なことを習得するために、どうすれば子供たちが興味を持ち、深く考えるようになるのか?どうすれば自発的に調べようとする気持ちになるのか?どうすれば達成意欲をもっと引き出せるのか?…そういった人間の心理の動きに沿った授業運営でなければ、おそらく効果は生まれない。そのためには、目の前にいる生徒へ対する教える側の関心、目的・悩みの共有、個々のこだわりなどについての理解の質が重要である。もちろんハード基盤を整備すること は、作業的なことや環境保護の点で重要である。しかし、最終的には『ICT化によって、国として今まで以上に、どのような人材をより効果的に育成できるように なるのか』というビジョンの下に、これまでの反省とさらなる研究が必要になる。サービス化社会とは、逆に言えば、華やかなハードに目を奪われすぎることな く、目から直接見えないものの価値の重要性が増す社会であるとも言える。



ラグジュアリーブランドに置き換えると、斬新でより洗練されたデザインはさらに重要になる。しかし一方、モノ余りの中で、それだけではすぐに飽きられてしま う。むしろ、本当の意義を持つのが【ハードとソフトが融合した価値】である。店舗のデザイン、VMD、接客…全てを通して、目の前のお客様に何をどう感じていただきたいのか?そのためにはさらに何を改善できるのか?…となると、店長として以下のことを理解しておく必要がある。
  1. なぜ店舗がこのような設計、デザインになっているのか?(店舗コンセプト)
  2. なぜこのようなVMDが必要か?
  3. どのような接客をすることが、目の前のお客様にとって最高の価値を感じていただけることにつながるのか?
  4. それをスタッフが主体的にできるようにするには、どういった指導・支援が常日頃必要なのか?
答えは簡単ではない。お客様やスタッフ、会社とのコミュニケーションを通じて研究していく必要がある。しかし、この見えない取り組みこそが大きな価値につながる時代に突入していることを自覚することで、成長する。


あるラグジュアリーブランド店長は、「素敵なステージで仕事をさせてもらえて幸せです。床ひとつ・椅子ひとつにも最高のこだわりがあって、緻密に計算されて います。それも全て”ブランドの世界観を凝縮して感じていただくため”です。ただ、こちらがそれを深く理解し、押しつけではなく、体感していただくために は、それにふさわしい接客をすることが必要です。そうやって誰一人手を抜かないことで、初めてブランドの世界観が伝わるのです。責任は重大です。」とつぶやいた。本物とは、そういう心が創り出していくのだと教えられた言葉だった。

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2014年7月14日月曜日

『「+1」の商品のおすすめが苦手なんです』…感覚は人それぞれ

あるブランドのスタッフが、「今、会社から”プラス1点のおすすめをしましょう!”と盛んに言われるんですが、それがなかなかできないんです。」と悩んでいた。確かにデータで見ても、単品売りで終わっている。セット販売が比較的上手なスタッフも同じ店舗にいることから、「何がどう違うと思う?」と考えてもらった。もちろんコーディネートのスキルの差等もあると思うが、掘り下げていくと「意識」の違いが最も大きな違いであることが徐々にわかってきた。すなわち、苦手だと思っているスタッフは、お客様に商品をおすすめするにあたって、
  • 「1点購入を決めたらすかさず売りこんできて、押し売り的だと思われたら嫌だな。」
  • 「お金に余裕がないのにすすめられたら心理的に負担に感じるだろう。」
  • 「別に欲しくもないものをすすめられて断らなければならないという手間をかけさせるのは申し訳ない。」
と否定的に考えてしまう。そう考えてしまうのは、「もし自分が買う側の立場だったらそう思うだろう。」という気持ちがあるからである。だから、少しお客 様が躊躇される様子があると、慌てて「すみません。別にこちらはいいんですよ。」と提案したモノを引っ込めてしまう。その気持ちもわからないではない。高額なモノを次々買えるほど余裕はないし、それを見透かされるのも嫌だし、確かに押し売り的だと感じる…という体験は私にもある。ところが、別のラグジュア リーブランドの店長兼トレーナーの方にその話をすると、「その発想を変えなければラグジュアリーブランドの世界ではやっていけません。」と言われた。何を どう変えるべきなのか?興味を持って話を聴くと、以下のような答えが返ってきた。



彼女が体験から導き出した法則の一つが、『お客様を自分の延長線上でとらえるな』ということである。「金銭的に云々というのは、あくまで自分を物差しとした見方です。私達のブランドブティックで買い物をしていただけるお客様は、そういう次元にはないということをよく理解しておく必要があります。例えば、私達が必要があってユニクロに買い物に行って、Tシャツ1枚で帰ってきますか?よく言う”ついでだから” もう1枚着替え用に買っておこうか、”ついでだから”ジーンズもそろえておこうか、そういえば日常用のスカーフもあったほうが便利かな…という気持ちで、 思った以上のモノを買って帰るという経験はありませんか?そういう感覚でお買い物をされているお客様の気持ちになれば、”実はお客様、こちらと併せて使っていただくとすごく重宝するアイテムがございます。珍しい色合いの物なので、ぜひご覧いただきたいんです。”と言われたらどうですか?ちょっとした特別感 とか、自分のことを考えていい提案をしてくれるのかなという期待感を持っていただけます。また、それがあるから会話も進み、次から自分のことを覚えていただける関係も創りやすくなります。それでこそ提案する私たちの存在価値も高まるんです。」

言葉ではよく「お客様の立場に立つことが大切」と言うが、本当の意味でお客様の立場に立つためには、実はとことん相手を知るという意味での研究が必要がある。彼女は経験を通して相手の状況・心理を深く理解する努力を重ねてきた。それがお客様にも受け入れられているのだと感じる。逆に、そこまでの関心も持たず「とにかくプラス1点勧めなければ…」という販売側の想いが優先した提案は、お客様にはどこまで行っても不快な提案となる。お客様も変化し続けているので、決めつけは怖い。常に「わかったつもり」ではなく、関心を寄せ、研究し続けていくことで、本当にお客様が価値を実感できる提案を生み出せるのだと考えさせられる内容だった。

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2014年7月7日月曜日

約束×年数=信用

「約束×年数=信用」
古いことわざで言えば「築城10年、落城3日」という意味合いに通じるのかもしれない。すなわち、信用とは一朝一夕にできあがるものではない。約束をしっ かり守り続け、勝ち得ていくものである。しかし一方、どれだけ年数を重ねてきても、約束を守れなければ信用は作れないし、作った信用も気の緩みから一瞬に して崩れ去ることもある。当たり前のことではあるが、言うのは簡単だが実践するのが難しく、それだけに時代を超えて重みを感じる言葉でもある。


私がお会いしたあるラグジュアリーブランド店長は、長期にわたり素晴らしい顧客を多数維持していた。その秘訣を聞くと、「お客様との約束を守るのは当然ですが、私は特に"小さな約束"をしっかり守ることを大切にしてきました。また、お客様・会社・スタッフ・友人との約束もそうですが、自分でやると決めたこと、つまり自分との約束も必ずメモをして実行することに努めてきました。」という言葉が返ってきた。私が、「すごいですね。大勢の人はそれがなかなかできないんですよね。それができること自体が素晴らしい能力ですね。」というと、笑いながら「だから、できない約束はしません。どの約束も"できるレベル"でしかしないので、そんな大げさに考えないでください。」と言った。そして、「私ってメモ魔なので、必ずメモをします。実行した約束から消していくんですが、それが残ったままになっているのがとっても嫌なんです。それにもしも、途中でこの約束は無理とわかったら、絶対そのままにはしません。早めにできないことを謝罪と共に伝えます。そう考えていったら、できないことはないという結論になるんです!」


約束の重さを知る。それは個人のレベルだけでなく、ラグジュアリーブランドそのものにとっても存続していくための必須条件である。実際、多くのラグジュア リーブランドを垣間見てきて、どのような時代変化に対しても土台が揺らぐことなく結束してチャレンジできている会社は、順調な時でも"言ったことはやり きる"というこだわりを持っている。確かに厳しい面もあるが、それがあるからこそ、お客様以前に「会社と従業員」「従業員同士」の信頼・信用が築けている と感じるのである。
大きな約束の一つに、政治家がよく言う「公約」がある。結局終わってみたら、全くできていないこともしばしばである。しかし、"公約なんてまさに口約(口約束)"と思っている国民も多い。そこに"なんとしてもやりきる"という責任感を感じられないからである。大きな約束も、最終的には小さな約束の積み重ねである。それを積み上げていく中で、「この人の言うことなら信じられる」「この人なら任せられる」「この人なら裏切らない」という気持ちを醸成していく。その結果、多くの協力者が進んで協力してくれるようになる。すると、より大きなチャンスも掴みやすくなる。実際、そのラグジュアリーブランドの店長は、「私の力と言うよりは、お客様が他のお客様をよく紹介してくださいます。その際に、"この人なら安心よ。この人は信頼できる人よ。この人は嘘はつかない人よ。"など、一言添えてくださいます。その言葉をお聞きするたびに、気を引き締めて期待を裏切らないようにしたいと頑張ってきました。私よりもおすすめ上手だったり、会話を盛り上げられたり、笑顔が素敵な店長やスタッフは他にもたくさんいると思いますが、私にとっては、"あなたのことを信用している"とい う言葉が一番ありがたい褒め言葉です。愚直にやってきて良かったと思う瞬間です。」と言っていた。

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2014年7月1日火曜日

変革のリーダーを輩出せよ!~店長カレッジに思うこと~

今年の4月から札幌で、毎月1回8月までの5回シリーズの【店長カレッジ】を開講している。様々な業種・規模の会社から、今後を期待されている店長及び次 期店長候補が20名集まって、朝10時から夕方5時までという限られた時間の中で、より価値のある店舗を作るために何をどうすべきかを討議し合ったり意見 交換をしたりする。4~5名のチームごとで研究し、スタッフ育成のための対話のロールプレイングや戦略プレゼンテーションの練習等も行う。期待されている人材だけに、それぞれの会社内で"店舗マネジメント"に関してOFF-JTやOJTを受けており、実績も上げている人達が中心である。ただし、今回の店長 カレッジは『異業種交流を通じてより視野を広げる』という点が特徴的である。もちろん業種も違えば環境も異なる。部下50名を持ち管理を中心に任されてい る店長もいれば、全体で3~4名体制の少数精鋭で率先垂範が重視される店長もいる。"ブランド"と言っても、高額品を扱っている店もあれば、手頃な値段の 商品を数千個販売するスタイルの店もある。


以前は、「うちの業界は特殊だから、他業界の話を聴いても参考にならない」という固定観念が強く、せっかくの機会を生かし切れないケースもあった。しかし、時代は変わった。参加している店長の皆さんに共通して言えるのは、「『過去~だったから』はもう通用しない、『これからどうあるべきか』を自分たちが 考え出さなければならない」という強い思いを持っていることである。そのためには、自社内や自分達の業界の成功モデルだけを手本にしていても発想に限界が ある。むしろ、昔の成功体験こそが怖かったりする。だから、熱心に他業種の話に耳を傾ける。関心があることについてどんどん質問する。関係が深まってくる と懇親会等も行い、よりざっくばらんに話せる関係を構築していく。会社が主導したり、私がコーディネートしたりする必要ないほど、各人が主体的に学ぼうと しているのが印象的である。


しかし、そういう流れはある種必然とも言える。新宿伊勢丹の大西洋社長が、川島蓉子さんのインタビューに答えて次のように語っている。川島さん曰く「これまで私がインタビューした様々な分野の経営トップの方々が中間管理職の人材についてこう話しています。『過去の成功体験を引きずり、新しいことに挑戦してくれない』『先行き不透明な中、維持や保身に走る傾向が強い』」
それに対し、大西社長が「そこでまず中間管理職にそれなりの予算と権限を与えて、自由に外の人と会う時間を 作るなど、環境と裁量を与えるようにしています.(中略)変革やチャレンジを積極的に評価していこうと、人事評価のやり方を変えました。動いた人、新しい ことにチャレンジした人を評価する評価項目を設けました。」「(ただし)過去の経験値が頭の中にしっかり入っていて、固まっている人が中に入るのではない でしょうか?一方で縦割り組織の弊害もあると思います。それを変えるための施策にも手をつけ始めました。」

(引用:日経ビジネスオンライン  2014年6月27日 ダサい社長が日本をつぶす![20代女子たちが変えた新宿伊勢丹の秘密] http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140609/266550/?rt=nocnt


これだけ私達を取り巻く環境が変わり、ビジネスのあり方も変わり、求められるものも変わり続ける中で、最後に変革のブレーキになるのは"人の意識・行動パターン"である。しかも、最終的に自分の意識を変えられるのは、自分自身でしかない。店長カレッジで異業種の店長と悩みを分かち合いつつ、未来思考で何ができるかをとことん議論しながら、自分のやり方や考え方をあらためて客観的に見つめ直す。その中で、『まだできること、やっていないことがこんなにある』『可能性は無限である』という気づきを得ることで、変革のリーダーとして各店長が今後 ますます活躍されるのを心から支援したい。

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2014年6月25日水曜日

ラグジュアリーブランドの「伝統と革新」は店舗マネジメントに置き換えると「今日の売り上げと将来の売り上げの基盤づくりの両立」!

イメージ 1
あるラグジュアリーブランド店長が、「本当は会社からは、ちょっとお値段は張るんですが"洋服を中心にシーズンごとにコーディネートで買ってくださる富裕層のお客様を中心とした店舗作り" を期待されています。しかし、当然日割り予算や月間予算の達成もしなければいけません。すると、どうしても今日の売り上げにつながるお客様を中心に接客を することに関心がいきます。バッグや小物と言われる商品は比較的売れやすいし、効率もいい。しかし一方、洋服を中心としたお客様となると、お客様の掘り起こしの大変さがあり、接客するのにスキルも知識も粘りも必要で、効率も悪い。必死に追いかけてもダメだったとなると、費やした時間の分だけむなしさもある。だから、保険みたいなもので、数字につながる安心感を求めて、つい目の前の売り上げばかりを優先してしまいます。毎回これではだめだと言い聞かせているんですが、発想や習慣を変えるのは大変です。」と悩んでいた。


確かにこれはジレンマである。「短期の売り上げ」と「中長期の売り上げ」は、一見すると「今日を積み上げていけば中長期も安定する」という連続性があるよ うに見える。しかし、実は短期の売り上げを創る中身と中長期の売り上げを創る中身(発想・身につけるべきスキル・とるべき行動)はそれぞれ異なる。それを限られた時間で同じ一人の人間が並行してやらなければならないと言うことである。意外にこれは難しい。どうしても偏りが出やすいのが人間である。あなたには日々忙しい中で、「将来のために〇○の資格試験に挑戦しよう」と教材まで買ったのに、「ああ、今日も時間がとれなかった」と結局むなしく終わったという 経験はないだろうか。


イメージ 2ではそれを並行して行えるようにするカギは何か?納期がはっきりしていること、そして今日の売り上げ数字など「見えるもの」に人は関心や問題意識を持ちやすい。なぜなら人間の情報の大半は「視覚」から入ってきて、それによって多くの判断をしているからである。一方の将来につながるお客様づくりの働きかけはそれほど結果となって毎日端的に見えてこない。 DMを出しても返りがない。知識の勉強をしていても本当に活かせるかどうかが見えない。すると、「こんなことに時間を使っていてもいいのか」という罪悪感すら生まれてくる。それを脱却させるよう、店長は仕掛けを考えなければならない。つまり、あえて納期を設定すると同時に、見えにくいことを【見える化】させ、安心感を持たせてそれに注力させる努力である。例えば、「DMはこういう品質で100枚出せば必ず○%の返りはある。だから、信じてまずは~までに○枚書いて検証しましょう。」と伝え、その結果を表にしていく。「~に関する知識をロールプレイングできちんと語れるレベルになれば、試着してくださる率は○%上がる。だから、あきらめずに〇○を勉強し、~ までは○人以上のお客様に必ず試着を勧めましょう。」など、説得材料を用意し、そのプロセスをデータ等で見える化し、【着実に将来に向けての準備は進んで いる】という確信を持たせることである。それにあてる時間のウエイトは、状況や個々のスタッフの習熟度レベルによって異なるが、「必ず○%の時間は将来の 顧客づくりの時間に充てる」などの基準を打ち出すことも、目先に流されないためには必要である。




ラグジュアリーブランドは歴史を重ねていく責任がある。そのためには「伝統と革新」と言われる。それは店舗マネジメントに置き換えれば、ラグジュアリーブ ランド店長として「足元を固めることと将来への準備」を両立することに他ならない。それを常に頭に入れてマネジメントするからこそ、お客様が途絶えない状況を創れるのである。
その取り組みのために今日の売り上げに支障が出るという場合は、【どちらを取るか】という発想ではなく、現状のオペレーション効率を上げる方に知恵を使っ た方がよい。なぜなら、それができなければ、おそらくこれからもずっとその店舗は革新も成長も起こらず、「結局できない」というあきらめ癖だけがついてし まうからである。2つの異質のことを並行して考えなければならないからこそ、店長だけでなくスタッフにも発想の広がりや成長の機会が広がると考えることである。

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2014年6月19日木曜日

私はいい方々ばかりに恵まれてきました…それって鏡の法則?

百貨店での販売スタッフの経験をした後にラグジュアリーブランドで店長を行っていた方が、ブランドトレーナーに任命された。私にとってその方は仕草、仕事ぶり、人への配慮、全て学ぶべき先生だった。特に尊敬に値したのは、見えない努力である。社内トレーニングで使用する資料を作成するにも、原文を全て自分で丁寧に翻訳し、最も大切なことがスタッフに 伝わるよう文章にこだわり、図や絵を使いながら、美しいデザインになるように最高の資料を自分で作成していた。また、それを使ってプレゼンテーションを実 施するまでに、何度も何度も練り直し、その方のトレーニングは洗練の域に達していた。何が彼女をそこまで駆り立てるのか不思議に思って聞いてみると、「ど ちらかといえば、モノづくりの職人に近い感覚かもしれません。やりながら、”ああ、ここはまだ改善の余地がある”と思うと、それを放置できない。妥協は嫌 なんです。これは性分かもしれません。」という回答だった。しかし、その積み上げがあるだけに、ブランドの奥深い世界観が、資料だけでなく、彼女の静かな 語りに込められた想いを通じて、聴いているスタッフの心を大きく動かしている様子がよくわかった。

その彼女がよく口にしていたのが、「学歴も語学力もたいしてない私がこのような機会を与えてもらえるのは、私の努力というよりは、どこへいっても、何をして も、本当にいいお客様や上司、仲間に恵まれているからです。」という言葉だった。
しかし現実には、それぞれの職場で、癖を持った人や扱いにくい人もいる。 チーム内に仕事のスピードが遅いメンバーがいることで、彼女が目指すレベルの仕事を納期内に終えるのが難しい状況も発生しうる。おそらく彼女一人でやった 方がいい仕事になるかもしれないとさえ思うケースもある。しかし、彼女からすると「確かに癖はあります。でも、○○さんからは△△ということを学ばせても らいました。また、~という点は私にない素晴らしい点なので、それを学ぼうと接していくと、私に対してはしっかりサポートしてくれて多々助けてもらってい ます。第三者から見る印象とはまた異なるんですよ。」ということも言われた。性別も年代も経験も越えて、どういう人であっても、“自分よりこんな点が素晴 らしい”という美点を事実に基づいて具体的に挙げる。むしろ、"自分の方が何も知らない、不器用なので"という姿勢は一貫していた。

【鏡の法則】という言葉があるが、そう言われて嫌に思う人はいない。むしろ、日頃の彼女の裏表のない態度や行動から、「こんな素晴らしい人にそこまで褒め てもらえるなんて」という思いから、失敗を挽回するかのように積極的に彼女の役立つようなサポートをしようとする。結果的に人を協力者にする名人技を目の 当たりにできたことは、私の人生にとっても本当にラグジュアリー(=贅沢)な出会いだった。

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2014年6月13日金曜日

派遣スタッフをどう活用すればいいの?

先日、ある会社の人事の方とお話をしていて、以下のような相談をいただいた。
「うちでは販売スタッフが不足しているんですが、世の中全体が人手不足でなかなか集まらない。そこで、派遣スタッフをお願いすることになった。お客様か ら見れば社員も派遣も関係がないので、しっかり接客をしてもらうためにもブランドの歴史や商品知識を一通りは理解してもらい、自信を持ってお客様に提供し てほしいと思っている。だから、ブランドや商品についての研修時間も作り、トレーナーが熱心に教えている。ところが、派遣されてきたスタッフの中には、あまりブランドに興味を示さず、商品知識も自分から熱心に吸収する姿勢がさほど見られない人もいる。販売経験 もあるので、どこで何を扱ってもそれなりに売れるという認識を持っていると思われる。もちろん、最終的には売ってくれればいいという割り切りもできるが、 ブランドアンバサダーとして店頭に立ってほしいというのは求めすぎなのか?」
あるサイトによると、「嫌われる派遣先のチェックリスト」の中に『愛社精神などを強要する』とある。果たして、ブランドに対する愛着を持ってほしいというのは求めすぎなのか?そうでないのか?あなたはどう思われるだろうか?



実は大切なのは”愛社精神など“という箇所ではなく、”強要“という部分である。「このブランドで働く以上、ブランドを好きになれ」と強要されても、「私 は“ここへ行ったら?”と派遣元に勧められて来ただけですから」「きちんと商品説明して販売できれば問題ないのに」という感情的な反発を生んでしまう恐れ もある。となると、強要ではなく、お客様同様、いかに自ブランドに興味を持ってもらい、好きになってもらえるかを工夫・研究することが大切になる。その方法論として、以下の3つが考えられる。
  1. ブランド知識・商品知識を、「教える」のではなく、お客様に魅力を伝えるように派遣スタッフにも魅力を売り込むというコンセプトで導入研修を組み立て る。それこそ、販売プレゼンテーションのつもりで、愛着を持ったトレーナーがいかにそのブランドが素晴らしいかを派遣スタッフに刷り込むイメージである。 驚きや感動の情報が多ければ多いほど愛着につながる確率は上がる。また、「ぜひ自分から人に教えてあげたい!」という気持ちにもなる。
  2. 【朱に交われば赤くなる】を活用する。配属された先の店長やスタッフが、当たり前に自ブランドや商品の素晴らしさを繰り返し口にしていると、人間は暗示 にかかりやすくなる(全員ではないが)。商品を大切に扱い、お客様に親身になっていい物を選んでさしあげる、お客様も喜んでお帰りになる…それが風土に なっていると、自然と“表裏がない、きちんとしたブランドなんだ”と思い、自分も周囲の行動を真似るようになる。
  3. プロセスを見て褒める。派遣スタッフのミッションとして「販売」がメインであれば、当然結果数字は意識する。しかし、結果だけを見て貢献してくれている ということをフィードバックするのではなく、”プロセス“を重視したフィードバックを行うと効果的である。例えば、”あの商品の説明の仕方が素晴らしかっ た“、”商品の組み合わせが絶妙だった“、”適切なタイミングでブランドのストーリーが語られていて良かった“などと意識的にフィードバックする。それに よって、他のスタッフがどのようにブランドについて語っているのにもアンテナが立つようになる。

以下は、あるラグジュアリーブランドの人事担当者が、「派遣からぜひ社員になりたいと、(社員以上に)頑張るスタッフが多い店」として教えてくれた店舗の店長の言葉である。
「とかく『派遣は使いにくい』と固定観念を持っているケースも多いのですが、上から目線で"派遣を使う"という発想では溝は埋まりにくいのではないかと思 います。期間の制約はあるものの、その中でいかにその派遣スタッフに“この店舗で働けて良かった”と思ってもらえるようにするかという発想で関係を構築し ていくと、期待に応えてくれることが多いものですよ。」


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