2014年10月6日月曜日

着実な売り上げにつなげるための考え方とプロセス目標の大切さ



ジュエリーブランドの店長研修で、ある店長が以下のような話をしていた。
「この世界は、来店数も限られており、そのチャンスにしっかり接客をしなければ当然数字にはつながりません。スタッフも売り上げを考えると、その場で何とか気に入っていただきたいと熱心に接客します。ただし、高額ということもあり、検討します””後でまた来ますと言われるケースも多くあります。 ですから、その日一生懸命接客したからと言って、すぐに結果に結びつくとは限りません。数日売り上げゼロが続くと、スタッフの中には焦り・ストレスが前面に出たり、かなり落ち込んで暗い雰囲気になる、あるいは早々にあきらめモードに入ってしまうこともあります。一方でそれとは逆に、思いがけず高額品が売れて一気に売り上げが跳ね上がることもあります。 ただ、気をつけなければならないのは、そういうことを繰り返すうちに、売り上げは運によって大きく左右されるという考え方を持ってしまうスタッフが出てくることです。もちろん運の要素もゼロではないと思いますが、あくまで売り上げは自分の実力の結果であるということをしっかりわからせることがとても大切です。」

店長の言っていることを式で表すと以下のようになる。

売り上げ結果=自律的要因(自分の力)+他律的要因(自分以外の力)

これ自体は揺るぎのない事実である。しかし、事実以上に大切なのが、売り上げ結果を10とした場合、「その割合をどう考えるか」という個々の考え方である。おもしろいことに、売り上げ結果がいい時と悪い時で、同じ人でもこの割合が大きく変わるケースが多い。すなわち、売れている時は、心の中で【自分の力で売った】と考える割合がかなり大きくなる。逆に売れない時は【自分の力以外(商品・立地・天気・景気など)】が足を引っ張っているからだ、と考えがちになる。

これまでお会いした中で、安定して売り上げを上げている人に共通するのは、“他律的要因は存在するものの、それがどうであれ、最後は自分の力で売り上げは決まる”という考え方である。すなわち、他律的要因(商品の力・ブランドの力・会社の力・天気・景気など)は、あくまで自分が活用すべきものであり、うまく活用できたかどうか次第で結果は左右されると考えるのである。「天気が悪く、入店数が減った」というのはいかんともしがたい事実ではあるが、「だからこそ、それを挽回すべく、自分の力で時間を上手に使って会話が弾む接客をして、固定客(顧客)につなげることが必要」と考えるのである。 また、すぐに結果につながらなくても、【認知していただく興味を持っていただき来店していただくアプローチ後会話ができる状態を創る席に座って(あるいは試着して)より詳しく話せる関係を創る(ニーズ把握と提案)購入を検討し、決定していただく購入後の感想をお聞きする】というステップを、どれだけリードしながら進めているかを測定する。それによって、ゴールに近づいているという実感を維持できるようにする、というプロセス目標の管理を行っている。

店長の仕事として、そういった考え方・やり方をフィードバック等を通して教育していくことは、スタッフのプロ意識を醸成する上で非常に大切である。そして、おそらくお客様はそのようなプロ意識を持ったスタッフから素敵な商品を買いたいと思っているのである。

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サービスデザイン研究所
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代表取締役/サービスデザイナー 袋井 泰江(Fukuroi Yasuko)













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