2014年12月23日火曜日

クリスマスシーズン、お店はドラマでいっぱい!~接客は推理小説?

クリスマスシーズンはある意味ブランドにとっては「繁忙期」という有り難いシーズンである。        
年末、クリスマス、ボーナス、様々な要素がからまって、「さあ、素敵なモノを探しに行こう!」「思い切ってこの機会に買ってしまおう!」という心理が働き、普段お店に来られない方々も来て下さる。



寒空の中、ウインドウに浮き上がる素敵なディスプレイや、垣間見えるお客様の真剣な視線、楽しそうな笑顔がお店への吸引力を持つ。

スタッフからすれば、シーズン前にご来店いただければ、混み合った中で窮屈な思いをせずお買い物をしていただけるのだが、なかなかそうはいかない。なぜなら、大半のお客様は「商品」そのものが欲しいのではなく、クリスマスの特別な体験を欲しているからである。ところが「次、次」と処理していかないと、店は回らない。

「丁寧に接客をすれば時間がかかり、他のお客様をお待たせしてしまう」というジレンマ。この状況を店舗としてどうプラスに持って行けるか?あなたならどうするだろうか?

それに対して、ある店長が話してくれたことが印象に残っている。
「うちで一番売り上げが常にトップで、且つリピーターをたくさん持っているスタッフの動きを観察していると、そう言う繁忙期にはある特徴が見えます。」
それをまとめると、以下のようなポイントだった。

①彼女は言葉数は少ないが、店舗全体を良く見渡し、作業をしながらもそこにいらっしゃるお客様の一挙手一投足を驚くほどよく観察している。そして、お客様がちょっとした信号を発すると、すばやくキャッチし、的確にそれに反応する。結果的に、だらだらせず素早く商品を決めていただいているが、お客様はとても嬉しそうに帰って行く。
②もちろん彼女は、事前に商品在庫・売れ筋(他社も含めて)・周辺のイベント情報などすべて把握している。つまり、ステージに立つ準備をしっかり整えて臨んでいる。
とのことだった。




     当のスタッフ曰く「推理小説ですよ、接客は」。つまり、お客様の目に見える情報(身につけてい
    るモノ、持ち物、雰囲気、カップルであれば距離感、表情、視線、ちょっとした体の動き・・)など、
    言葉は聞こえないにしても、発信している情報はたくさんある。
    それをきめ細かくキャッチして、推理する。「~の帰りに、~のために、こちらに寄った~
  というご関係の方かな」。その想像力は日頃から鍛えているだけ合って、ほとんどはずさないのがす
  ごいところである。

そこで、というタイミングに近づいていって、「もしかして、~をご覧になってのお帰りですか?」と推理をぶつける。決して「何か、お探しでしょうか」とは聞かない。すると大半のお客様は「なんでわかったの?」という顔をすると共に、スタッフに興味を示す。そこからすんなり会話に入り、的確な提案で素早く決める。彼女は「悩むことがお好きな方もいらっしゃいますが、私は特にカップルの方などは、しっかりした説明で安心感を持ってもらったら、むしろそれを持って、次のレストランや、デート、友達に自慢する、ということに大切な時間を使っていただきたいんです。きっとそのときの幸せ度はもっと素晴らしくなるでしょうから。だから、失敗のない提案になるよう、提案しながらもお客様の仕草、表情は見逃さないようにしています。」

「時間をかけたから丁寧=よい接客」というのはある意味固定観念である。お客様のご要望やお好みもあるが、彼女のように、自分で効果的にリードできるよう、日頃から観察力、想像力を含めて鍛えているかどうかが重要と教えられた。
ただ大前提は、それだけご来店いただけている個々のお客様に関心のアンテナを立て続けられる向上心・情熱なのかもしれないと思った。


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